2019年11月10日日曜日

【2019年度秋祭振替公演】終演のご挨拶

2019年度秋祭振替公演『刹那、穿って世界を廻せ。』は、無事終演いたしました!
台風により振替公演という形での上演となりましたが、ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
今後も、ミュージカルサークルEMの活動への応援のほど、よろしくお願いいたします。

本公演の作・演出である長島朱音より、終演の挨拶をさせていただきます。

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先日、ミュージカルサークルEM秋祭公演『刹那、穿って世界を廻せ。』が無事に終演いたしました。
作・演出をつとめました、長島朱音です。

はじめに、台風の影響による公演延期があり、振替日での上演となったにも関わらず、足を運んでくださった皆様、変わらず応援の気持ちを向けてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
舞台はお客様が観て初めて完成するということを、改めて強く実感した日でした。
EMは今後も変わらず舞台づくりを続けていきます。またどこかで、変わらない想いを届けます。今回のことで、残念ながら来ていただくことが叶わなかったお客様も、もう一度会いに来ていただけたら幸いです。

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『刹那、穿って世界を廻せ。』
このタイトルを考えた時は、確か少し反抗的な気分だったと思います。
思い通りに進んでいかない人生、空回りし続ける自分、神様を気取った何かにいいようにされているような感覚、それらが何だか癪にさわって、うんうん文字通り唸りながら考えていた時、自分が大切にしたいと思う「世界」くらいは自分の力でまわしてやる、という思考回路にたどり着いていました。その意志だけは強かったけれど、実際には弱くて脆い自分の、なけなしの勇気でした。

人と向き合うこと。相手を肯定すること、否定すること。自分の想いを伝えること、相手の想いを受け取ること。これらが重なって、「生きる」ということにつながっていきます。1人になるのは簡単だけど、ひとりぼっちは怖い、なんて時々思ったりしますが、人と関わってゆくというのは人生の中で絶対的なものです。
その中で生まれる「後悔」に気づくのは、「死」が人をこの世とあの世に分かつ時なのだと思います。もう取り戻せない瞬間に、人はやっと自分を見つめ直して過ちに気づく。それは明日かもしれないし、もしかしたらこの世でその命を終えた後かもしれません。先のことは誰にもわからない、なんて当然のことですが、だからわたしは今を一生懸命生きようと思うし、あなたにも生きてほしいと思うのです。苦しくても、弱くても、たとえ下を向いてでも、今日を生きてほしいです。この世のどこかに、この世になければ違う場所に、「天使と悪魔」のような、もしくは人間を無闇に死の世界へ連れて行かないあの死神のような、あなたを見守っていてくれる存在は必ずいるはずだから。
この物語には、そんなわたしの勝手な願いを、それでも届けたかった想いをこめながら書いていました。

長くなってしまいましたが、最後に少しだけ感謝を綴って、終演挨拶とさせていただきます。
「天使と悪魔」による「人間更生プロジェクト」。ちょっとした裏話で、この物語の元となるエピソードが生まれたのは今から8年ほど前になりますが、その時からずーっとわたしの話を聞いてくれた、とある友人へ。この物語を今のタイミングで世に出せたことを、12歳のわたしたちが知ったら信じられなくて笑っちゃうのでしょうが、必然だったと確信したい気もします。ありがとう。
そして、公演期間中、一緒に隣を歩んでくれた座組の皆へ。本番までの道のりは今まで以上に凸凹道でしたが、最終的に進み続けることができたのはみんなの力です。作演出を引っ張ってくれて、本当にありがとう。

改めまして、この物語に会いに来てくださった全ての人へ、そして愛を向けてくださった全ての人へ、本当に本当にありがとうございました!今回受け取った想いを零すことのないように、また次へと繋げていきたいと強く思えた公演になりました。

EMの活動はまだまだこれからも続きます。次回は一年生公演。今回2度目の舞台づくりに一生懸命取り組んだ彼らが、自分たちの力で新しい世界をつくりあげます。また足を運んでいただけたら、そして楽しんでいただけたら幸いです。

これからも、ミュージカルサークルEMをよろしくお願いいたします。


作・演出 長島朱音









2019年11月6日水曜日

【16代卒業公演】終演のご挨拶

EM16代卒業公演「解散」で脚本演出を努めさせて頂きました。有賀実知です。最後に書く言葉が見つからず、公演からずいぶん間が空いてしまいました。大変申し訳ありません。

四年間共に舞台を作ってきた仲間と共にもう一度だけ、無意味でもいいから純粋な気持ちで舞台が作りたかった。それが果たせたことが何より幸せです。そしてその無意味なひと夏の時間がその先の人生になんも足しにならなくても、しょうもない若気の至りでも決して無価値ではないのだ、というメッセージが、独りよがりな思いではなく少しでも作品からお客様の心に届いていれば幸いです。

作りたい舞台の理想は高く、追い付かない実力や迫り来る時間に苦しみながら駆け抜けた2ヶ月間でした。正直なところ、悔しい思いも沢山残ります。その半面、舞台を作るのは何て楽しいんだと全身で感じなから過ごした2ヶ月でもあります。

私たちの舞台を見届けようと沢山のお客様が観に来てくださったことが何にも代え難い喜びです。本番を見せていながら、皆様一人一人に感謝の気持ちをお伝えしているような心持ちでした。初めて観に来て頂いた方、後輩の皆にはミュージカルサークルEMという場所の面白さが少しでも伝わっていれば嬉しいです。そして、家族や友人、先輩、支えてくださった全ての皆様。4年間、本当にありがとうございました。今後も私たちの事をどうかよろしくお願い致します。


最後に、告白を。
タイトルを「解散」と決めた春先、半分冗談、半分本気で、卒業公演なんて仲が良いのは今だけで同期達と大喧嘩しながら揉めに揉めてテンデンバラバラで解散になっちゃうんじゃないかと思っていました。メンバー皆の思い入れが強くて、沢山夢を抱いていた公演だからこそです。そんな皮肉をこめて解散と名付けました。

しかし、終わってみれば、私の方が支えられてばかりの公演でした。脚本が書けず、稽古も演出もしきれずボロボロの私を、それでも脚本演出家としてなんとか最後まで居させてくれたのは座組みの皆の力です。最後の最後にギリギリの綱渡りのような公演、泥舟に乗せてしまいました。座組みの皆。最後まで散り散りにならず、あきらめないでくれて、ありがとう。この場をお借りして伝えさせてください。


この度は、ミュージカルサークルEM16代卒業公演「解散」にご来場頂き、誠にありがとうございました。

脚本演出・有賀実知








【作品に関して】


本作に登場した"渡訪"という地名や神々は架空のものですが、古事記の神話や私の地元である長野県諏訪市にまつわる神話をモデルにしています。元ネタを知りたいと言うお声をいくつか頂いたので、込み入った内容になりますが、簡単にご紹介致します。

出雲から渡り訪れた神であり、湖に祀られた水神・渡訪神のモデルは、古事記の中で「国譲り神話」「天孫降臨」とよばれる部分に登場す建御名方神(大国主の次男)です。
また、土着の山神・杜谷神のモデルは、諏訪の神話に登場する洩谷神です。建御名方神が諏訪に渡ってきたときに闘ったとされています。

諏訪には、諏訪湖の回りに4つの境内をもつ諏訪大社という大きな神社があります。7年に1度の大祭である「御柱祭」や、毎年夏の始めにある「お舟祭」、冬の湖に現れる「御神渡」と呼ばれる自然現象。これらを掛け合わせたのが本作に登場した"神渡りの儀"です。

作中に「嵐が来るぞ」というフレーズがありました。これは昨今の台風が猛威を振るう前からあった設定です。平成18年に諏訪で起きた豪雨災害は、湖と川の氾濫、山の土砂崩れによって大きな被害を生みました。諏訪の盆地にとって湖と山は生活と切り離せない存在です。だからこそ、古くから諏訪の人々は自然を畏れて、豊作を祈り吉凶を占う信仰と密接にあったのだと思います。


そして、諏訪信仰や神話は日本の民族の流動と密に関わっています。幼い頃、時折父が晩酌をしながら私に語ってくれていた諏訪の神話や民族史が、縄文時代の話なのか弥生時代の話なのか古墳時代の話なのか良く分からないまま、それでもなんとなく面白かったのをずっと覚えていたことが、今回のお話の出発点です。


2019年7月11日木曜日

【2019年度七夕祭公演】終演のご挨拶

2019年度七夕祭公演『Daydream Operetta』は、無事終演いたしました!
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
今後ともミュージカルサークルEMの活動の応援のほど、よろしくお願いいたします。
今回は作・演出の長島朱音より終演の挨拶をさせていただきます。

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先日、ミュージカルサークルEM2019年度七夕祭公演『Daydream Operetta』が無事に終演いたしました。ご来場いただいた皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!作・演出をつとめました、長島朱音です。

当日パンフレットのあいさつでも書かせていただいた、「舞台」が人に与えるポジティブな力。今回はそれを体現するために、観客へ幸せと笑顔を運び、日常を忘れられるような時間を生み出すサーカス団、ストレイナイトを主軸とした物語を描こうと決めました。演出としても、エンターテインメント性の強いパフォーマンスと、その中で動いていくキャラクターたちの物語に音楽が寄り添うといった構想を練り、当日お見せしたようなオペレッタが完成しました。人と人のつながり、運命への抵抗、子どもの純粋さと大人の不器用さ…彼らが生きる世界はわたしたちの現実とかけ離れているようで、本質は同じなのだろうと思います。残酷な世界の中でも、そこに光を見出す力はきっと誰もが持っていると信じながら、彼らを描きました。

「いたずらに時は過ぎて 醒めない夢も醒めちゃうけど 心から望む限り魅せてあげる」
今回のオープニングに使用した歌詞の一部です。どんなに楽しい時間でもいつかは終わりが来るし、わたしたちはそのことを知っています。だからこそ、その夢を見られる時間だけは、目の前の「あなた」が望むままに「非日常」をつくりだす。わたしは、それが舞台やら何かしらのエンターテインメントに関わる者のひとつの使命だと考えています。使命、なんていうとめちゃめちゃ偉そうですけどそんなつもりはなく、ただ少なくとも、わたしがEMという場を借りて毎度苦しんでもがきながらも懲りずに脚本を書き続けている理由は、そこにあるのだと思います。今回それがどこまで実現できたかは、見てくださったみなさんの受け取ったものが全てですが、あの団長のように自分の信念だけは曲げず、これからも挑戦していきたいところです。

ここまで長々と話を続けてしまいましたが、最後に『Daydream Operetta』が日の目を見るにあたって、どんな時でも本気で楽しみながらわたしについてきてくれた役者、無茶振りつづきの演出に自分たちが持つ全ての力を尽くしてくれたスタッフのことも、少しだけ記させてください。稽古時間ではない時もオープニングの歌を口ずさんでいる姿だったり、物語を真剣に考えた上で「こうしたらもっと素敵!」と生まれていくアイディアだったり、その当たり前にあるようでいて当然には存在しない輝きや情熱が、今回の座組にはたくさんありました。初めてながらも思いきり取り組んでくれた1年生、わたしたち現役の代を支えてくださった頼もしい先輩方、そして1年を経て共に力をつけてきた同期と創りあげたこの時間は、とても思い出深いものになりました。
そして、日頃からあつく応援してくださるOB・OGの先輩方、何より本番当日、この物語に会いにきてくださった皆様に、心から感謝しています。
今回受け取った愛やそのほか言い表せない感情たちをひとつ残らず抱きしめて、また新しい舞台づくりに向かっていこうと思います。
本当にありがとうございました!!!

今後とも、ミュージカルサークルEMの活動をよろしくお願いいたします。

作・演出 長島朱音

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